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65話 あいだに立つ理

Author: 白蛇
last update Last Updated: 2025-12-31 17:02:45

「御影山の……理」

 瑞礼の乾いた唇から、うわごとのような声が漏れた。

「はい」

 国子は静かに頷いた。

「龍ノ淵。神々が龍神を封じるための座。その冷徹な仕組みのことです」

 言いながら、瑞礼の顔をじっと見つめる。その視線は品定めをするように冷ややかだった。

 氷の湖。白い花。水底へ沈んでいった者たちの影。そして里で花を摘む瑞白の姿が、瞬きのあいだにいくつも重なって、瑞礼の目の裏側を幻覚のように焼いた。

 国子はかすかな、能面のような笑みを浮かべて続ける。

「贄を捧げ、龍神の怒りを鎮める。人の理もまた、その淵を軸に回る――そうでしょう」

 瑞礼は答えられなかった。違う、と言いたかった。緋宮はそんなものを求めていたわけではないと。けれど、それを言えば、里で沈められていった者たちの死を、無意味なものとして否定することになる気がした。

「わたくしたちは、その理を借りたいのです」

 国子の声が、鼓膜を撫でるように低くなった。

「御影山と里とのあいだに立っ
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